2021.6.25
いつもお世話になります。
税理士の白川浩平です。
中小企業の思い切った事業再構築を支援する「事業再構築補助金」では事業の新規性が求められますが、自社で計画している事業が新規性の要件を満たすか分かりづらいというお話をよく伺います。
それを確認する方法の一つが、「実際に申請が通った事例を見る」ことです。
2021年度に創設されたこの補助金の第1回の結果が発表されました。
今回は、その結果の概要と、今後の検討にあたって活用できるポイントをお伝えします。
2021年度に全5回公募予定の補助金ですので、今後の申請検討にあたってお役立ていただければ幸いです。
<採択件数>
全体では
・応募:22,231件
・書類不備等ない申請件数:19,239件(86.5%)
・採択:8,016件(36.1%)
となりました。
ただし、採択率の内訳を見ると、特別枠(2021年1月以降の緊急事態宣言の影響で売上が30%
特別枠は7月2日で締め切られる第2回申請で終了予定ですので、これから申請を検討する場合は通常枠の採択率が一つの参考指標と
<補助額>
・100~1,500万円が約4割
・4,500万円以上が約3割
を占めており、展開する事業規模を問わず採択されています。
<採択された業種別割合>
多い順に
・製造業:31.7%
・宿泊業、飲食サービス業:21.8%
・卸売業、小売業:12.4%
となり、この3業種で全体の約6割を占めます。
しかし、建設、運送、情報通信その他、幅広い業種で応募・採択されているのも特徴です。
これらの結果から、決して簡単に採択される補助金ではないものの、規模・業種問わず幅広く採択されており、多くの企業で活用可能性があることが分かります。
実際採択された企業名、事業名称、事業計画の概要などが
Webページ上で公表されています。
▼
https://jigyou-saikouchiku.jp/
・運送会社が「倉庫」業も始める
・主業務のプラスチック加工に加え、「金属加工」
・飲食の他の業態から「焼肉」店に転換する
など、実際に採択された様々な事例を確認できます。
同様の事業展開をすれば採択されるわけではありませんが、これを見ることで、今後申請を検討する際の参考とすることができます。
「オンライン」「テイクアウト」「非対面」
※例えば、通常枠で実際に文言を検索すると、「倉庫」155件、「金属加工」122件、「焼肉」
書類不備等のない申請は応募全体の86.5%でした。
言い換えると、「せっかく計画を作ったのに審査に至らなかった応募」が13.5%でした。
要因には
・売上減少要件の確認資料の添付漏れ
・Web上での申請時の入力ミス
など、他にも様々なものが考えられますが、不備があると審査すらされないという点に留意が必要です。
第1回の申請締め切りだった4月30日は、申請用のWebページへのアクセスが集中、
このことから、多くの企業が締切直前に申請したことが分かります。
資料の添付漏れなどをチェックする余裕もなくなりますので、早めに準備し、公募要領や電子申請マニュアルに沿って申請することが重要です。
事業再構築補助金は年5回程度の公募が予定されており、現在、7月2日まで第2回公募の申請受付中です。
しかし、申請準備には事業計画の作成、費用の積算、金融機関との資金繰りの相談など、短くても1か月は要します。
これから申請準備を始める場合は、第3回以降を目指すのが現実的です。
具体的な受付日時は現時点では不明ですが、9月前後になると予想されます。
「事業再構築補助金」は今年創設された制度のため、具体的なイメージが湧きにくかった方も多いかと思います。
今回初めて採択事例が発表されましたので、自社でも活用できそうか、まずは実際の採択事例を確認することをお勧めします。
https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/result/tsujyo_gaiyo01.pdf
2021.6.25
2021.6.25
2021.6.25
2021.6.3
2021年版ものづくり白書が発表されました。
これはいわば、現在の経済状況や将来の先行きを見据えて、政府が民間企業にやってほしいこと、取り組んでほしいことをまとめたものです。
今後の補助金のあり方なども、このような政策を基に講じられます。
なかなか興味深い内容となっていますので、ぜひお目通しください。
時間のない方は、概要だけでも目を通されることをお勧めします。
「2021年版ものづくり白書(令和2年度ものづくり基盤技術の振興施策)」は、ものづくり基盤技術振興基本法(平成11年法律第2号)第8条に基づく、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策に関する報告書です。本報告書は、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省共同で作成作業を行い、令和3年5月28日、閣議決定されました。
新型コロナウイルス感染症の感染症拡大なども経て、我が国製造業を取り巻く環境は急速に変化し、「ニューノーマル」に突入しています。こうした現状を踏まえ、事業者に特に影響の大きい
1.レジリエンス ―サプライチェーンの強靭化―
2.グリーン ―カーボンニュートラルへの対応―
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