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生まれながらの都会っ子が、スナフキン体質に突如目覚めた!? 田中誠一さん(中土佐町)

  • 2021年2月19日

田中誠一さん

東京都出身。2019年4月、中土佐町の地域おこし協力隊に着任。

久礼漁協で朝・昼に実施されているセリの手伝いを中心に、水産業活性化に関する活動に従事。そのほか、得意料理のカレーを使った開業を目指し、キッチンカーの製作にも取り組む。

ミッション

・水産業活性化支援業務(久礼地区)

ざっくりいうと…

・生まれながらの都会っ子が、スナフキン体質に突如目覚めたのは38歳。それ以前の人生は、まさかの●●。

・手先の器用さには自信あり! マニアックなエスニック料理にアート、車の改装までもこなせます(ただしマイペース)。

・自分が信じた生き方を追求するために。拠点づくりを目指す”流浪の民”が、大事にする精神とは?

田中誠一さんにインタビュー (中土佐町)

―東京都目黒区ご出身とのことで、今回が人生初の田舎暮らしですか?

いや、群馬に1年、秋田に1年半ほど住んでいました。そこで「雪はもう辛い!」と、次は四国のどこかにしようと思って(笑)。県の移住フェアでたまたまお話した、中土佐町役場の担当者の人柄に惚れ込んだのと、興味を持っていた水産関係のミッションで協力隊が募集されていたのとで、3か月後にはこっちに来ていました。

人との出会いが移住のきっかけ、という方は多いですよね。でも田中さんは元々、流浪する”スナフキン”型か。

38歳でフィリピンに英語留学をした時、上下関係も利害関係もない環境で久しぶりに学生として過ごして、「こんなに楽しい生き方があったのか!」と目を覚まされたんですよね。暮らしてみて初めてわかることも多いし、どこでもやっていける自信がついたので、住みたいところに住んでみる”実験”的な生き方を始めました。それまでの自分とは全く変わったんで、38歳以前の人生については聞かないでください(笑)。

えぇぇ、ライフストーリー型のインタビューなのにNG(笑)。まぁでも大事なのは今! 日々の活動を教えてください。

久礼漁協のセリのお手伝いがメインで、余ったカツオをしょっちゅういただいているうちに、自分でも捌けるようになりました。ちなみに以前、漁を端から見学するということで初めて船に乗せてもらったら、まさかの先頭に立たされて……早朝3時から6時間近く、150匹ほどのメジカ*を釣りました。何匹かお土産にもらって、さすがの美味さでしたけど、とにかく、しっちゃかめっちゃかで大変だったなぁ(遠い目)。

1時間に25匹! 入れ食い状態……うらやましい……。

それからここ数か月は、自前のキッチンカーを作るべく奮闘中です。僕はカレー、特に鶏肉をホロホロになるまで煮込んだパキスタンのスパイスカレーが好きなんですけど、この辺りでは気軽に食べられるお店がなくて。じゃあ自分で作って売ればいいじゃん、と。軽トラに板を貼って改装しつつ、素材の勉強になればと農園に見学に行ったり、カレー作りのワークショップをやったりして準備を進めています。

カレーワークショップ

え、軽トラから作るんですか!?

めちゃくちゃスローペースなんで、「いつできるが!?」って漁師さんたちにいじられてますけど。子どもの頃から、絵を描くことや身の回りのDIYをやるのが趣味だったんです。今の住まいは役場に紹介してもらった海沿いの一軒家ですが、卒業後は大きな倉庫に住みたいなとも思っていて。アトリエはもちろん、ゲストハウスのように外から来る人が泊まれるようにもしたいし、ニワトリも飼いたい(笑)。

それは素敵! 所ジョージさんの”世田谷ベース”的な秘密基地感がありますね。

最近はいかに「シンプルに暮らす」ことができるか、についても研究中です。ごみを減らす、といったことだけじゃなくて、人に言われたことをすっと受け止められるような、自我をなくして無色透明になりたいんですよね。

……キッチンカー開業の前に解脱してしまいそう(笑)。

昔から”真面目”と言われることが多いですね。なんとなくネガティブな印象で嫌だったんですけど、ある時「自分のやりたいことと真剣に向き合ってるってことだよ」と言われてからは、それも悪くないなぁって。

確かに、そういうタイプの「”真面目さ”を持った協力隊の方は多い気がします。

あとは「縁」がすごく大事だと思っているので、自分からどんどん人に会いに行くようにしていて、できた繋がりも大事にしています。秋田に居た頃に参加した、NPO法人が手掛けるミュージカルプロジェクトには四国支部の一員として今も引き続き活動していて。

そうそう、事前にお送りいただいた写真に「趣味のミュージカル」とあったのでツッコもうと思ってました!

最初は自分が楽しいから始めたのに、観ていた方が想像以上に喜んでくれたものだから、活動を通じて誰かをワクワクさせたいと考えるようになりました。県内のイベントで知り合った高知大学の学生さんたちにもミュージカル体験会に来てもらった時は、こちらとしても学びがありましたし、自分が彼らにできることはもっとやってあげたいなとも思いましたね。

やりたいことを追求している一方で、周りに対する貢献意欲も高いタイプですね。

地方での暮らしは特に「ギブ&ギブ」の精神が求められる気がします。目先の損得で動いてしまうと信頼もしてもらえないですしね。

「ギブ&ギブ」、名言出た! では最後に、移住を考える方へメッセージをお願いします。

移住って一般的にはハードルが高いみたいですが、自分を変えたい、人生をもっと良くしたいなら環境を変えるのって案外てっとり早いと思います。自ら生きる場所を選ぶって、すごく清々しいですよ!

<あるある!高知のヒト・モノ・コト>

「とびきり美味しいカツオ」

田中さん:正直、移住するまではカツオって特別に好きな魚だったわけじゃないんですけど……。やっぱり、群を抜いて美味しいです。

立花:全国的には、高知といえばタタキが有名ですが、地元だとピチピチなものはやっぱり生(刺身)が一番だって方が多いですよね。ちょっと時間が経っても、タタキにして生のにんにくをたっぷりかけて食べればそれも美味いよ、みたいなスタンス。

田中さん:同じ県内でも、やっぱり久礼のカツオはとびきり新鮮で、高知市内で食べるよりも鮮度も味も良い自信がありますね。ぜひ、食べに来てほしいです。