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まさか高知で起業するとは、人生何が起きるかわからない!(日高村)

  • 2021年7月16日

小野 加央里(おのかおり)さん

愛知県名古屋市出身。

会社員をしながら行っていたボランティア活動で日高村にあるNPO法人日高わのわ会に出会い、高知と東京の二拠点生活をスタート。2017年~2020年まで、日高村の地域おこし協力隊として活動。2021年4月に一般社団法人nossonを設立し、現在は代表理事として日高村の地域活性を目的に参加型地域商社を展開しています。趣味は、はじめたばかりのサーフィン。
https://note.com/nosson 
Eat&Stay とまとと https://tomatoto.jp/

小野 加央里さんにインタビュー (日高村)

― 日高村にゲストハウスをつくろう!

東京の広告制作会社で働いていた小野 加央里さんは、東日本大震災をきっかけにボランティア活動を始めました。そのボランティア活動の参加先の一つが、高知県日高村にあるNPO法人日高わのわ会でした。

ここでの活動内容を通じて日高村の魅力にどっぷりとハマり、東京に住みながら月に1度は日高村へ行き、地域に関係した仕事に従事する二拠点生活が始まりました。

約1年ほど東京と高知を行ったり来たりしていた小野さんは、次第に日高村に宿泊施設があったらいいなぁと思うようになっていったそうです。

「私、日高村に来ているのに泊まっていたのは高知市内なんです。移動には車で30分くらいかかります。私は日高村に泊まりたいのにできない。ここには私のようなボランティアや移住を視野に入れた人がくると思うし、そうしたら宿泊施設が必要になると思って企画を考えました」と小野さんは振り返ります。

高知県のビジネスコンテストにゲストハウスの企画を持って出場したことをきっかけに、日高村役場に提案する機会をいただき、動き出すことになりました。そのタイミングで地域おこし協力隊へと着任。小野さんが発案した企画は、日高村のニーズとぴったりと合い、人口5,000人の小さな村に各地から視察が訪れる宿泊施設の誕生のきっかけとなっていきます。

地域おこし協力隊をしながら二拠点生活を継続

協力隊にいたときも、「東京へはリサーチの目的があって行き来していました。協力隊の仕事時間外で東京へ行き、ゲストハウスのつくり方の調査をしに全国各地を回っていました」と小野さん。二拠点生活は協力隊になってからも続けていました。とてもアクティブでフットワークが軽い!

そんな小野さんの協力隊時代の働き方は…?

「17時半までは日高村の協力隊として働き、その後は自分の仕事を請けていました。大きな仕事は断っていましたが、遠隔でできる企画の仕事などはちょこちょこやっていましたね」と小野さん。

情熱を持って仕事を推進する小野さんの周りには様々な仕事の声がかかるようになってきました。

「私自身は本当に何もできないんです。ですが、周りの人が助けてくれて、力を貸してくれてここまでこれたかなと思います。みなさんのおかげで自分が予想できないほどにスケールしました。ありがたいことです」と話す小野さん。

協力隊卒業後も、NPO法人日高わのわ会の広報を担当をしながら、一般社団法人nossonを立ち上げ、現在は代表理事として活動中。

地域の課題を解決すべく、宿泊施設の運営事業、関係人口創出事業、ふるさと納税関連事業、日高村とまとの産物を活かした商品開発など、地域商社として積極的に事業展開しています。

小野さんの「仕事の流儀」を聞いてみました。

「まずは、自分がやりたいという気持ちが一番大事だと思います。そのやりたいの1%の先に、地域が幸せになる未来が99% 広がっている感じをいつも意識しています。これが実現できたら自分もみんなも面白い、楽しいし。こうしたら幸せになって、お金が落ちて、雇用が生まれて、ブランドになって、めっちゃいいよね!ってことを一生懸命に考えます」と、小野さんは熱量たっぷりに教えてくれました。

さらにこんなお話も。「そうすると、『小野ちゃんの言うことならしゃーねーなぁ…』と周りの人たちが付き合ってくれるんです(笑)」と謙遜して言いますが、きっとその熱意が大きな渦となって、周囲にいる人々を巻き込み、自然と協力してくれるような状態ができているのだと感じました。

日高村の豊かな田舎文化に魅了されて

「えっと、趣味ですか? 大きな声じゃ言えませんが…、日高村で仕事ばかりしていますよ(笑)」と笑う小野さんにプライベートの過ごし方も聞いてみました。

2020年からのコロナ禍で東京へ行く機会は一気に減少し、二拠点生活といっても現状では日高村での時間が圧倒的に増えているそう。その分の時間を使って、人生で初めてサーフィンをするようになったとか。

「高知は海も、山も、川も、ものすごくきれいです。そして日照時間が日本一なので、何もしなくても黒くなりますよ~」とほんのり日に焼けたお顔に笑顔が浮かびます。サーフィンが上達できるようにスケボーも始めたそうで、趣味にも全力投球!

小野さんは名古屋で生まれ、東京で仕事をしていた根っからの都会っ子です。都会と田舎暮らしのギャップが「面白い」と感じるポイントなのだとか。

「もうここへきてしばらく経ちますのでだいぶ日高村の文化に慣れてきましたが…、都会育ちの私にとってはすべてが非日常で面白いです。例えば、東京の飲み会って早くても7時とか、7時半とかそのくらいからじゃないですか。ここは5時台から、早ければ3時台にお誘いがくることもありました(笑)。おじちゃん、時間早いよって驚きます」。

ゆったりとした時間感覚のほかにも、自然と共存して暮らす姿は田舎ならではの贅沢。「山でタケノコを採ってきたから食べよう」とか「お魚釣りに行って食べよう」とか、東京ではできない体験が日常に。地元の人にとったら普通のことも、小野さんにとっては今も特別なイベントで新鮮にうつります。

地域が潤う最適解を模索中

会社を立ち上げたばかりの小野さんは、ヒト・モノ・カネ・情報と、地域が潤う方法とその手段を全力で模索中です。これから移住や協力隊を考えている人を対象にした第2、第4週末に開催するオンライン飲み会もスタート。「深堀り居酒屋」と題して、聞きづらいことまで気軽に聞ける居酒屋で話すような感覚のイベントを企画。
お酒を交わすと、仲良くなれるし、お互いの人柄もわかりますよね!

「まさか自分が日高村に来るとは思わなかったし、協力隊になるつもりもなかった。それが起業までするなんて、人生何が起きるか分かりません!」と、生き生きと話す小野さん。

小野さんの活動は日高村を中心にスタートしたばかりです。小さな体で大きな渦を生み出す小野さんから目が離せません!