横川満久さん
【普段のお仕事】
横川呉服店の店主であり、「おち街並みの会」の中心人物。
—隊員(私)の第一印象を教えてください!
廣瀬さん:はじめてちゃんと話をしたのは、協力隊が開催した「まちのおたから展」でしたよね。
横川さん:そうそう、そうやった。自分は今まで街並みの活動をしよったき、「同じようなことをやる人がおるな」と思って関心を持ったがよ。越知町以外の人が越知の町を見たとき、どんな関心があるがやろうって。
—隊員(私)との一番の想い出や、印象に残っているエピソードを教えてください!
廣瀬さん:一番の思い出って言うたら、やっぱアレですよね。
横川さん:そうそう、聖火トーチやろう。
廣瀬さん:前回の東京オリンピックの時、越知町で聖火ランナーが走って、その時の聖火トーチがまちのどこかにあるはずやと言われて。僕は、横川さんに指示されるままいろんなところを探し回って。
横川さん:指示はしてないよ。お願いしただけ(笑)。でもあれはまぁ見事やった。最後のさいごに見つかって。
横川さん:こないだその聖火トーチを、小学生の授業で持たせてみたがよ。そしたら後でもらった感想文に、「こんなの一生に一回持てるかどうか」って書いてくる子もおって、子どもなりに貴重さを理解するんやなと思ったわ。やっぱ、子どもには色んな体験をさせてあげないかんね。
廣瀬さん:そうそう、昔のものって、かえって新鮮やったりするし。当時の聖火ランナーって、いまの商店街の道を走ったんでしょ?
横川さん:そうそう、ここ走ったよ。トーチの重さは一升瓶くらいあったらしい。実際に持って走った人は、かなり重たかったはず。
廣瀬さん:ちょっと思いついたんですが、今度のオリンピックのタイミングに合わせて、越知町でこの聖火トーチ使って、勝手に聖火リレーしたらどうでしょうね。
横川さん:それええやん。何かのイベントと組み合わせたら、まちが賑わうで。
—今後、隊員(私)に期待することや一緒にやりたいことはありますか?
横川さん:やれるんやったら、「今の越知町」を何かの形で残していきたい。自分がいま75歳やけど、10年先に生きちゅうかどうかわからん。ぜひとも挑戦してほしい。
廣瀬さん:それ、凄く共感します。「今の当たり前」って10年とか20年したら無くなっちゅうと思う。有るものが無くなっていくっていう儚さがある。僕も、自分なりに何かの形で越知を残していきたいと考えよった。
横川さん:むかしは、この商店街に100店舗以上の店があった。今はそれが少しずつ民家に変わってきた。シャッターが閉まっちょっても店舗の形跡はあるけど、民家が増えてくると商店街とは別ものになってくる。時代の変化は仕方ないけど、残したいものは残していかんと。だから、越知へ来た記念に街並みを残していってくれたらえいわ。
取材を終えて・・
自分のことを聞く取材はあまり無いので新鮮でした。期待することや、一緒にやりたいことを聞いた時には、とても嬉しい気持ちになりました。改めて、人と人との出会いは偶然ではないと感じることができました。貴重な機会をありがとうございます。