大切なお子さんの教育環境はどうなのか?とても気になるところだと思います。
高知の教育に関する高知新聞の記事をピックアップしてみました。
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2021.04.18 高知国際高が開校 1期生278人入学「豊かな世界へ、己に挑戦」
2021.04.05 探究人 高知国際中1期生の学び(下)将来の社長育む学校!?
2021.04.04 探究人 高知国際中1期生の学び(上)思考、討議 生徒が主体
2021.03.28 香美市のバカロレア教育に注目 珍しい中山間・公立...モデルケースに
2021.01.16 大宮小(高知県香美市)バカロレア認定 公立小で全国初
2021.01.16 高知国際高がバカロレア認定 国公立の中高両方は全国3校目
2020.11.06 全国公立中で3校目 高知国際中「バカロレア」認定
高知新聞2021.04.08
高知国際高1期生を代表し宣誓する細川はるかさん(高知市鴨部2丁目=佐藤邦昭撮影)
県立高知国際高校が7日、開校した。高知市鴨部2丁目の同校で開校式と入学式が行われ、1期生278人が新たな歴史を刻み始めた。同校は教育プログラム「国際バカロレア(IB)」の認定校で、探究学習を通じて国際的な視野を持つ人材の育成を目指す。
高知国際中高は、高知南中高と高知西高の統合校。国際高校には高知南中からの進学生も含め、IBのプログラムを実施するグローバル科(78人)や、IBの手法を取り入れた授業を行う普通科(200人)で学ぶ。
開校式では伊藤博明県教育長が開校宣言した後、浜田省司知事が「国際高校でしかできない学びを重ね、心に秘めた志の実現を目指してほしい」と祝辞。
続く入学式では森本民之助校長が「飛び出すフィールドは地球。異なる考え方や習慣を尊重して新しい仲間を増やし、地球全体の課題を考えていこう」と呼び掛けた。
新入生を代表し、グローバル科の細川はるかさん(15)が「豊かな世界への〝結び〟を築くために己に挑戦し課題を求め、新たな未来、思考、自分を探索していく」と宣誓した。
新入生たちは「制服がかっこいい」と初々しい笑顔。普通科の高橋沙奈さん(15)は「発展途上国で働く医師になることが夢。特に英語を頑張りたい」。ほかの生徒も、「災害時に役立つロボットを作りたい。海外の大学入学を目指している」「何にでも好奇心を持てる人になりたい」…。それぞれが、夢や抱負をはつらつと語っていた。(石丸静香)
高知新聞2021.04.05
高知国際中学校の部活動は陸上やサッカー、吹奏楽など八つ。これとは別に、サークル活動もある。
2年時に、同級生とダンスサークルを立ち上げた川上瑠那(るな)さん(15)は「自分たちで計画したことを自由にやらせてくれる」と言う。
校内イベントでダンスを披露する生徒たち(写真はいずれも高知市鴨部2丁目の高知国際中学校)
学校説明会で披露したり、自分たちで企画して校内で踊ったり。「いろんな経験ができるき、自分の可能性が広がる」
「社会の一員として他者と共生する力を養うため」(伊芸美紀教頭)、人の役に立つ活動にも注力。こちらも生徒が各自で企画しており、放課後や休日などに、こども食堂に食事を提供するほか学校パンフレット作り、歌のライブ配信などに取り組んでいるという。
岡谷存哲(のぶあき)さん(16)の学校評はユニークだ。
「みんな、自分で計画を立ててプロジェクトに取り組む。(学校の活動は)平社員じゃなくて社長をつくる感じ」
全ての教科で考えたり話し合ったりする活動がメインとなる
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「国際バカロレア」(IB)は国際バカロレア機構(スイス)が提供する教育プログラム。従来の「知識詰め込み型」から脱却し、自ら問いを立て、課題を解決するスキルを養う。国内では2020年11月末時点で21都道府県の90校が認定されている。
県教委が導入したのは、少子高齢化や産業振興など地方の課題を解決する人材の育成に、IBの理念が合致していたため。「地方に住んでいてもグローバルな視点に立って行動できる人材を」と、高知南中高と高知西高の統合校である高知国際中高の柱とした。
中学校の開校から丸3年。校長を務めた森本民之助・現国際高校長は「子どもたちは積極的で物おじしない。考察力や行動力など、社会で役立つ力が付いてきている」という。
一方で、県内で前例のない取り組みだったことから、手探りで実践を進めてきたことも事実だ。
開校当初は、授業の中身や課題の多さに戸惑う生徒が多かったため、授業スタイルを緩やかにIB流に移行するようにした。
また、基礎知識の定着に課題が見られたことから、小テストを取り入れるなど授業の改善も随時進めている。IBに対して、教員自身の経験や理解度に差があることも課題。教員の勉強会を増やす必要があるとする。
さらに、従来の学びの形とは大きく違うだけに、複数の保護者が大学入試への不安を口にする。
「大学入試改革」で思考力や表現力を重視するため、大学入学共通テストに導入予定だった記述式問題や民間検定試験は見送りとなっており、1期生の保護者の一人は「総合型選抜(旧AO入試)を考えているが、一般入試には対応できるか…」。
これについて森本校長は「選択肢として補習などを設け、一般入試にも対応できる環境を整える」。ただし「偏差値の高い大学に入ることが最終ゴールではない。変革する社会の中で、新しい価値観を創造するような人になってほしい」。
竹森圭さん(15)は「環境や人種差別など地球規模の問題を考える機会は多い。もっと深く知りたいし、いつか問題の解決に貢献できる人になりたい」と未来図を描く。
7日。生徒たちは、国際高に入学。1期生として、探究の学びを深めていく。(報道部・石丸静香)
高知新聞20210404
技術のレポートに取り組む竹森圭さん=左(写真はいずれも高知市鴨部2丁目の高知国際中学校)
県内で、初めて世界的な教育プログラム「国際バカロレア」を導入した高知国際中学校(高知市鴨部2丁目)が誕生して丸3年となる。今春1期生約60人が卒業し、間もなくスタートする国際高校へと進む。国際的な視野を持ち、生涯学び続ける人材の育成を掲げる教育理念の下、生徒たちはどんな学びを続けてきたのか。
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2月末。理科実験室で教員が呼び掛けた。
「ビリビリしてから学習に入りましょう」
テーマは静電気。生徒たちは、装置を使って実際にビリッ。ひとしきり盛り上がった後、教員がホワイトボードに示す「教科書にある実験をする」「静電気の性質をまとめる」などの活動項目に、班ごとに取りかかった。
静電気の実験に見入る生徒たち
帯電したストローを流水に近づけ、分かったことをプリントに書き込む。分からないことは意見を交わし、タブレットを使ってネット検索。この間、教員は教室をぐるぐる回る〝だけ〟だった。
同校では、通常の中学校のように教員が講義する姿はほとんど見られない。生徒自らが考え、意見交換する探究型のスタイルだ。
地理も同様。班ごとに「アフリカの農業」「オーストラリアの観光」などのテーマを自分たちで決め、まとめた成果を披露。互いの発表を通して共通点や相違点を考え、格差や貧困、環境汚染など、普遍的な「概念」を学ぶという。
伊芸美紀教頭は各教科を、論理立てて相手に伝える▽物事を関連づけて考え将来を見通す―といった「社会で必要な力を育むツール」と表現する。
ただ、授業では「知識」を学ぶ時間がほとんど取れない。
入学当時、かなり戸惑ったという岡谷存哲(のぶあき)さん(16)は、「小学校は1から10まで教えてくれる感覚やったけど、ここは自分で知識を入れな置いていかれる」と説明した。
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生徒は全教科でレポートやプレゼンテーションなどさまざまな課題に取り組む。中には半年ほどかけて取り組むものも。3年生は1年間で50本近くの課題に取り組んだ。
ある日の午前8時の教室。竹森圭さん(15)がタブレットに「ロボットの動く速さを変更し…」と書き込んでいた。技術の課題で、プログラミングした対戦型ゲームのレポートの総仕上げだ。同級生にゲームの感想などを聞きアンケート集計。結果を分析し、内容を改善した過程を執筆中で、「毎朝4時に起きてやっています」。
レポートに関し、学校が生徒に渡したプリントには、こんな評価基準が示されている。
「ソリューション(解決方法)の効果を評価するためのデータを生成する、詳細かつ適切なテスト方法をデザインすること」「設計仕様書と突き合わせてソリューションの効果について批判的に評価すること」
生徒たちは作成途中に教員のアドバイスを受け、自分の〝現在地〟を把握して改善を図り、より高い評価基準のクリアを目指すという。
これは体育も同じ。水泳や陸上など、上達法を自分で調べ実践。改善の過程をレポートで論理的に示せていれば、実技が不得手でも高評価があり得る。
「社会で必要な力を付けている実感がある。何のための勉強なのか、疑問に思うことは少ない」と竹森さん。負担は大きいが「いろんなことに興味が持てて、視野が広がった」と話した。(報道部・石丸静香)
高知新聞2021.01.16
探究を中心とした世界的な教育プログラム「国際バカロレア(IB)」の導入を目指していた香美市香北町美良布の大宮小学校(森田卓志校長、166人)が、13日付で国際バカロレア機構(本部・スイス)の認定を取得した。公立小では全国初で、県内学校では高知国際中学・高校に続く認定。同小は「地域とも協力し、探究的な学びをさらに充実させていく」としている。
IBは年齢に応じたプログラムがあり、同小は初等教育プログラム(PYP)での認定。
同小は2018年3月から児童が主体的に探究する授業づくりに取り組み、19年3月に候補校に選ばれていた。20年10月、IB機構の審査を受け、学びの柱となる言語方針や学習内容、評価方針などが国際基準に達していると認められた。
同市では香北中も同11月に候補校となっており、23年度までの中等教育プログラム(MYP)導入に向けて活動。20年度、探究科が新設された山田高も含め、各校が連携した探究的な学習の構築を目指している。
認定の通知を受けた森田校長は「子どもたちには、世界の人々と協力しながら自ら課題を探り、解決する力を身に付けてほしい」とし、「教員や地域もパートナーとして、児童の自主性や自立心を伸ばすサポートをしたい」と話す。
同市の時久恵子教育長は「小学校から高校へ学びをつなげることが大切。高知市へ進学する生徒が多い中、中山間でも先進的な学習ができることを示したい」と述べた。
同小の校区は旧香北町全域。原則、校区内の児童のみ通学する。(横田宰成、小笠原舞香)
《ズーム》国際バカロレア(IB)
多様な文化を尊重し、学びへの意欲が高い若者を育てるため、国際バカロレア機構(本部・スイス)が提供する教育プログラム。年齢や内容に応じてPYP(3~12歳)、MYP(11~16歳)、DP(16~19歳)、IBCP(同)の4プログラムがあり、DPでは国際的に認められる大学入学資格を取得できる。文部科学省によると世界158以上の国・地域約5千校が認定され、日本の認定校は昨年11月末時点で計90校。
高知新聞2020.11.06
国際バカロレアに認定された高知国際中の授業風景。生徒同士で学び合う手法を重視している(9月、高知市鴨部2丁目)
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